変なポエム。など

小心者のブログでごんす。パラノイア的な

鹿独語抄録

砂場に散りばめられた数字に 青が照射され

三が膨らむ 午後の 穏やかな公園で

アルカリ性だった 皮膚を 注意深く掬って

棄てられた 砂のふくよかな体 海のような

母の脚を 鹿に食べさせ

皮膚という砂が蕩けて 舌の上で 孵化する

鹿の 翼には 数字の入れ墨があって

そのどれもが 夕暮れ の 秒針を食む

砂という皮膚の 数字の 角を丸めて 母

という 子鹿に ゆっくり湯のように 渡す

ぬくい数字の砂 集まってくる 砂の背を

裏返し笑う 帽子揺れ 母の数字が

雨を降らせ そこに 多くの虹が遺された

まだ 脳のない皮膚 子供たちの 青い跡に

生えてくる 新緑の数字 という名の鹿の

脚のような気温 母は 脚を失くした

以来数字は 脚として母を支え 船を待った

砂場に水を引き 数字を呼び 子鹿を働かせ

虹を資本として 休みなく 雨を降らせた

家に帰る頃には 砂場は皮膚のメッカとなり

夥しい数の 母が 貿易をした

その どれもが 子鹿だった

ある母は数字を貯め 隣の鹿に 家を買った

そこで母の脚を育て 絵を描かせた 皮膚の

誰もが数字であり 鹿 だった

青、という数字は 砂場で生まれ 育ち

根を張った 看護師のように眠りながら

脳という皮膚を着るまで 子供たちの数字に

母は 脚という脚を 着せてあげる

鹿が 母をスープにして

    皮膚という階段を 降りていった

作られた砂と 初メからの砂を分け

献立を考えている 青の子鹿が 雨の群衆を

分断する 母の脚と そうでないもの

雪と器 瓜とビート板 私と、皮膚

数字が回る その皮膚を 燃やすように

そして 子供たちが燃え尽き いなくなると

浮かない顔で 私 という鹿が

この世から遠い 皮膚 という公園を

数字のように青い きれいな 砂漠にする

子鹿 という膜に 覆われた脚の 汗が

母に滴り ぽーんとなって 産声が聞こえる