変なポエム。など

小心者のブログでごんす。パラノイア的な

2014-01-01から1年間の記事一覧

去りゆく夜にひとり眠気を我慢する 草はわずかな風に揺らされ 露をはじいて太陽を待つ 何度目の朝だろう 太陽が生まれ地球が生まれ 先史から歴史、そして現在まで あたらしい朝はくりかえされた 明日はいつも午前零時に 迷うことなくやってくる 大抵の子ども…

電球

電球が切れてもやっていける いつでも昼はあかるく夜はくらいのだから 動物になればいい 昼のあかるさを利用するか夜のくらさを利用するか ロマンチストになればいい 昼は太陽としゃべり夜は月としゃべる どこでもドアを使えばいい くらくなればグルジアへ行…

ひきこもり

どこへも行かない 晴れていても雨が降っていても 春になっても夏になっても どこへも行かない インターネットがなくなっても 漫画がなくなっても テレビやラジオがなくなっても どこへも行かない たとえばパリへ行ったとしても たとえば火星へ行ったとしても…

緑の星

緑の星をみつけたら あなたはどこかで生きている そういうことにした けれどまだ 緑の星はみつからない 私はもう老人になった あなた宛の手紙を書いて 引き出しにしまっている ずいぶん昔に書いたもの 先日きゃべつ飴をもらった あなたは生きている そういう…

ふしだらな人々

ふしだらな乙女は今宵も 電車で一時間かけてクラブへ行き 踊ったり口説かれたりを楽しみながら 夜に溺れていくのだった ふしだらな小説家は今宵も 編集者にセッティングさせた合コンへ行き ちやほやされたり口説いたりを楽しみながら 夜に溺れていくのだった…

サーカスがやってきた 老人が子どもを連れて 子どもは老人と手をつなぎ 怪しい小屋に入っていく 駐車場はいっぱいだ サーカスは町から人を盗んだ 町はサーカスの町になった たこ焼きおいしそう 愛知にはトヨタがある 隣の自治体にはショッピングモールがある…

ある夫婦

わたしの憧れは 海外で暮らす駐在員の妻 ぼくの憧れは 海外で働く駐在員 わたしの現実は パチンコ屋でパートをしている妻 ぼくの現実は タクシードライバーをしている夫 わたしたちは 嫌になったら、忘れるようにして ぼくたちは 悔しくなったら、踏んばるよ…

さみしい部屋に

さみしい部屋に花瓶をおいた。 そうしたら花瓶が、「さみしい部屋にいるのはいやだ」と言って 出て行ってしまった。 今度は花瓶をふたつ用意して、並べておいた。 そうしたら花瓶のひとつが、「おれはオスなんだから、メスの花瓶じゃなきゃいやだ」と言って …

音楽の子ども

月がくしゃみをしたときギターをさわっていた射手座の子が父と母によって、音楽を聴くこと、演ることを禁じられてしまった。 その子はそれから他の子が音楽を聴いたりしているのをうらやましいと思いながら頭のなかで、音楽を鳴らしていた。 十代になると他…

どぬーつ

虫歯のことなんか忘れて、どぬーつを食べる。 あ、そうそう。どぬーつには秘密がある。 ふたつの秘密がある。 ひとつめ。どぬーつはとってもおいしい。 納豆味のグミよりもおいしくて、 ときどき、ぷでぃんぐよりもおいしい。 ふたつめ。あながあいている。 …