2018-11-05 目的のない移動 だあれもいないバス停に 冷たい風がふきつける ひらいた毛穴の一つから さみしさすっとながれこむ くしゃみをすれば肺ちぢみ つられて体がまるまった 私はどれだけまつのだろう 目的のない移動のために だあれもいないバス停も 規則にしたがい薄暗くなり 輪郭線はぼんやりとして 不安の形をうきぼりにする 荒くて重い音をひびかせ ようやくバスがやってきた ゆき先はまだわからない 私はどこへゆくのだろうか