変なポエム。など

小心者のブログでごんす。パラノイア的な

煙草、童貞、中林

煙草を吸い始めたのは19才だった。最初は何が旨いのか分からずに吸っていた。変な言い方をすると、頑張って吸っていた。早く大人になりたかった。僕はもうすぐ30才になるが、今の精神年齢が19才くらいで、あの頃の精神年齢は14才くらいだった。たぶん高校時代を楽しまなかったから、精神の成長が遅くなっているのだ。僕はこれまでもこれからも、実年齢より精神年齢が低いのかもしれない。

高校時代は不良の中林と一緒にいることが多かった。と言っても学校の中にいる間だけで、学校の外で一緒にいることはなかった。僕は中林が自転車置き場で煙草を吸う時に、先生が来たら知らせる役をよくしていた。僕は中林の舎弟だった。僕はクラスメイトから陰で「ナカーシャ(中林の舎弟の略)」と呼ばれていた。学校の外で一緒にいることはなかったから、学校の中だけの舎弟だった。僕は中林にいつもヘコヘコしていたのだが、その頃の体質が抜けず、今でも不良っぽい奴(過去に不良だったっぽい奴)にはヘコヘコしてしまう。ヘコヘコした後で、自己嫌悪に襲われる。中林のせいだ。

煙草の話に戻る。20才になってから吸うのではダメだった。一刻も早く高校時代の損失を取り返さないといけない。言葉にはなっていなかったが、しかし明確にその意識によって僕は煙草を吸った。頑張って吸った。今ではヘビースモーカーだ。最悪だ。後悔している。何でも頑張ればいいという訳ではない。

やはり僕は高校時代を楽しまなかったことがコンプレックスになっている。高校時代を楽しめていたら煙草を吸わない人生だったかもしれない。もっと素直になっていれば良かった。もっと女子と話していれば良かった。周りの目なんか気にせずに女子と話していれば良かった。自意識過剰。タイムゴーズバイ。エブリリトルシング。はあ。

とにもかくにも、19才の僕は焦っていた。18才までは何だかんだ言ってもボーッと生きていたが、19才になると焦ってきて、20才になるまでにクリアしておきたい課題が生まれた。それは童貞を卒業することだった。僕は童貞を卒業する為に留学を諦めた。そして童貞を卒業したのは23才だった。留学しておけば良かった……。もしも、もしも。高校時代に童貞を卒業していたら19才でアメリカかカナダかイギリスに留学して英語ペラペラになってモテモテで一流企業に就職出来たのに!くそう!中林のせいだ!……と、まあ人のせいにしまくっている間はダメだ。ダメなことを否定してもよいのかは分からないが。

キース・リチャーズのように、もう過去に囚われるのはやめて、今を生きよう。幸運と他人の助けと少しの頑張りの3点セットでやっていこう。無理せずに。