僕はここにいないかもしれない。
この僕しかいない小さな部屋で、
僕はここにいると証明できない。
始めから僕はいないのだろうか。
始めから僕はいないのだとして、
ここでキーボードを叩いている、
めがねをかけた小太りの人間は、
一体どこのどいつなのだろうか。
僕はここにいないかもしれない。
この手は僕のものではないのか、
この足は僕のものではないのか。
砂が砂漠のものではないように。
仮に僕はここにいないとしても、
僕はいつもとなにも変わらない。
僕はここにいないかもしれない。
でもそんなことはどうでもいい。