2016-05-19 illusion 今僕の眼に映る青空は、 世界の何分の一だろう。 今僕が吐き出した二酸化炭素は、 世界の何分の一だろう。 今お前をこんなに愛しく思えるのは、 きっと錯覚しているからだ。 昔あいつをあんなに憎んでいたのは、 きっと錯覚していたからだ。 僕の中に真実はない。あるのはチンケなプライドだ。 夢。希望。未来。明るい言葉たち。 それらを利用するビジネスマンたち。 灰色の空なら、見上げなくて済むから、 僕は梅雨が好きだ。お前には、お前だけには、ずっと錯覚していて欲しい。